筋トレと糖質制限、どちらも健康やボディメイクの観点から注目を集めています。
しかし、「糖質制限をすると筋肉が落ちてしまうのでは?」「筋トレのパフォーマンスに影響が出るのでは?」といった疑問や不安を抱える方も少なくありません。
実際、糖質制限を適切に行いながら筋トレを組み合わせることで、脂肪を効率よく燃焼しつつ筋肉量を維持・増加させることが可能です。
本記事では、糖質制限中に筋トレを効果的に取り入れるための基本的な知識や具体的な食事プラン、注意点について詳しく解説していきます。
筋トレにおける糖質の重要性とは?

糖質は、筋トレをはじめとした高強度の運動時に、体の主要なエネルギー源として働きます。
筋トレ中の主なエネルギー供給経路である「解糖系」は、糖質をグルコースとして分解することでATP(エネルギー分子)を生成します。
この過程は速やかにエネルギーを提供できるため、高負荷の運動や短時間のスプリント動作において重要です。
筋肉中のグリコーゲン(糖質が貯蔵された形態)は、トレーニングのパフォーマンスを支えるカギであり、不足すると運動効率が低下します。

適切な糖質摂取は、筋肉の収縮力を高め、持続的なトレーニングを可能にします
糖質が不足すると、筋トレ時のエネルギー供給が不十分となり、以下のようなデメリットが生じます。
- パフォーマンスの低下
持続的なエネルギー供給ができないため、運動強度が落ち、トレーニングの質が下がります。このような状況が続くと、筋肥大や筋力向上が滞る可能性があります - 筋力低下
糖質が枯渇すると、体は筋肉内のアミノ酸を分解してエネルギーを補おうとします。この状態(カタボリズム)は、筋肉量の減少につながり、せっかくの筋トレ効果を台無しにしてしまいます。 - ケガのリスク増加
糖質不足による疲労感や集中力の低下は、トレーニングフォームの乱れを引き起こし、ケガのリスクを高めます。特に筋肉や関節への負担が大きい種目では注意が必要です。
糖質の適切な摂取タイミングとして、トレーニング前後の糖質摂取が特に推奨されます。
トレーニング前に摂取することで運動エネルギーを確保し、トレーニング後に摂取することで筋グリコーゲンの回復を促進します。
糖質制限と筋トレを組み合わせるメリット
糖質制限で「脂肪代謝モード」に入る
糖質制限と筋トレを併用することで、体は脂肪を主要なエネルギー源として利用しやすい状態になります。
糖質が不足すると、体は代替エネルギー源として脂肪を分解し、ケトン体を生成する「脂肪代謝モード」に入ります。この状態は、特に中強度のトレーニングを行う際に効果的です。
筋トレによるエネルギー消費が糖質制限で促進されることで、脂肪燃焼がより効率的に行われるとされています。また、インスリン分泌が抑えられるため、脂肪の蓄積を防ぐ効果も期待できます。

このため、糖質制限と筋トレの組み合わせは、ボディメイクや減量を目指す人に最適な方法とされています
長時間の運動でも安定したエネルギー供給が可能に
糖質制限を始めたばかりの時期(適応期)は、エネルギー供給が不安定になるため、一時的に筋トレのパフォーマンスが低下することがあります。
しかし、体が脂肪をエネルギー源として効率よく利用する方法に適応すると、持久力の向上が期待できます。
これは、体内の脂肪は糖質に比べてエネルギー量が多いため、長時間の運動でも安定したエネルギー供給が可能になるからです。
適応期を乗り越えるためには、必要な栄養素(タンパク質や適度な脂質)を適切に摂取しつつ、トレーニングの強度を徐々に上げることが重要です。
この方法により、脂肪代謝を最大化しながら、筋肉量を維持し、運動パフォーマンスを向上させることができます
糖質制限中の筋トレで気をつけるべきポイント

必要なタンパク質と脂質の摂取量
糖質制限中は、エネルギー源として脂質の役割が増す一方、筋肉の維持と修復のためにはタンパク質が非常に重要です。
一般的に、筋トレを行う人の場合、1日あたり体重1kgあたり1.6~2.2gのタンパク質摂取が推奨されます。
例えば、体重70kgの人なら約112g~154gのタンパク質を目指すべきです。
脂質については、全カロリーの50~70%程度を目安に摂取し、良質な脂質(魚、ナッツ、アボカド、オリーブオイルなど)を優先することが重要です。
これらの栄養素をバランスよく摂取することで、筋分解を防ぎながらエネルギー不足を補うことができます。
トレーニング強度と頻度の調整
糖質制限中は、エネルギー供給が通常よりも制限されるため、最初のうちは高強度のトレーニングが難しくなることがあります。
そのため、トレーニングの強度や頻度を一時的に調整することが重要です。
- トレーニング頻度を週3~4回に抑える。
- 高負荷トレーニングよりも中負荷で回数を増やす方針に変更する。
- 適応期には、筋肥大を目的とした重量トレーニングよりもフォームを重視したトレーニングや有酸素運動を取り入れる。
これにより、体が糖質制限に適応するまでのストレスを軽減し、トレーニングの継続性を確保できます。
また運動前にはしっかりストレッチを行いましょう。ケガの予防だけでなく、運動効果を高める上で極めて重要です。
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水分と電解質のバランスを保つ
糖質制限中は、水分や電解質が失われやすくなるため、これを適切に補うことが重要です。
糖質を減らすと体内のグリコーゲンが減少し、その過程で水分とナトリウムなどの電解質が排出されやすくなります。
- 水分
1日2~3リットルを目安に摂取し、トレーニング前後には特に意識して水を飲む。 - 電解質
ナトリウム、カリウム、マグネシウムを補うために、塩分を適度に摂取したり、アボカドやバナナ、ほうれん草などの食品を積極的に取り入れる。 - 補助飲料
必要に応じてスポーツドリンクや電解質サプリメントを活用する。
これらを実践することで、筋肉のけいれんやパフォーマンス低下を防ぐことができます。
糖質制限中の筋トレに関するよくある質問
トレーニング前後の糖質摂取タイミングはいつ?
糖質制限中でも、トレーニング前後には適量の糖質を摂取することで、パフォーマンスを維持し、筋肉の回復を促進できます。
- トレーニング前
運動の1~2時間前に、消化が良くエネルギーに変わりやすい低GI食品を摂取するのがおすすめです。- さつまいも(50~100g程度)
- 玄米おにぎり
- ギリシャヨーグルト(蜂蜜少量を加える)
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これにより、トレーニング中のエネルギー切れを防ぎ、集中力を高められます。
- トレーニング後
運動後30分~1時間以内に、筋肉の修復とグリコーゲン補充のためのタンパク質と糖質を含む食事を摂るのが理想的です。- 鶏むね肉と野菜のサラダ+オリーブオイルドレッシング
- ゆで卵+低糖質パン
- プロテインシェイク+ベリー類(ブルーベリーやラズベリー)
このタイミングで糖質を摂ると、インスリン感受性が高まっているため、脂肪になりにくく筋肉に効率的にエネルギーが運ばれます。
糖質制限中におすすめの食品は?
糖質制限中は、糖質が少なく栄養価が高い食品を選ぶことが重要です。
以下の食品群をバランスよく取り入れると良いでしょう。
- 野菜
葉物野菜(ほうれん草、ケール、チンゲン菜)やブロッコリー、カリフラワーなどは、低糖質でビタミンやミネラルが豊富です。
ピーマンやアスパラガスも彩りや食感を加えながら糖質量を抑えられます。 - ナッツ
アーモンドやくるみは、良質な脂質とビタミンEが豊富です。ただし、カロリーが高いので1日30g程度に抑えましょう。 - 魚
サーモンやサバなどの脂の乗った魚は、オメガ3脂肪酸を豊富に含み、筋肉の修復や炎症の軽減に役立ちます。 - 卵
完全栄養食品ともいわれる卵は、タンパク質だけでなく、筋肉の維持やホルモンバランスを整えるためのビタミンやミネラルも含まれています。 - その他の食品
チーズやプレーンヨーグルトは、手軽に高タンパクを補給できる食品です。また、ココナッツオイルやオリーブオイルを調理に活用することで、エネルギー源となる良質な脂質を摂取できます。
Dolce式食事メソッドでは、5つのルールを守るだけでトレーニングに最適な食事選びができるようになります。
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糖質制限をしたら筋肉は落ちるのでは?(適切な糖質量の見極め方)
糖質制限中に筋肉が落ちるリスクは、糖質摂取量が極端に低すぎる場合に高まります。
糖質は筋肉のエネルギー源であり、不足すると筋分解(カタボリズム)が進みやすくなります。そのため、適切な糖質量を見極めることが重要です。
一般的には、筋トレをしている人の場合、1日に体重1kgあたり3~5gの糖質を目安に摂取すると良いとされています。
食事プランには、低GI食品(玄米、オートミール、さつまいもなど)を取り入れることで血糖値の急激な変動を避け、安定したエネルギー供給が可能です。

また、トレーニング前後には少量の糖質を摂取することで、運動パフォーマンスを向上させることができます。
ケトジェニックダイエットと何が違うのか?
糖質制限とケトジェニックダイエットは類似点がありますが、目的や制限レベルが異なります。
ケトジェニックダイエットは、極端に糖質を抑え(1日20~50g程度)、脂質を主要なエネルギー源として利用することで「ケトーシス」状態を維持することを目指します。
一方で、通常の糖質制限では、糖質摂取量を抑えつつも完全に排除しません。そのため、糖質制限は筋トレ時のエネルギー供給をより柔軟に対応できる点が利点です。
特に筋トレをしている人には、ケトジェニックダイエットよりも適度な糖質制限のほうが推奨される場合が多く、エネルギー不足による筋力低下を防ぐことができます。
目的や活動量に応じて、どちらの方法が適しているかを判断することが重要です。
糖質制限中でも筋トレを楽しみましょう!
糖質制限と筋トレを組み合わせることで、効率的な脂肪燃焼や持久力の向上が期待できます。
しかし、その効果を最大限に引き出すためには、栄養バランスやトレーニング方法の工夫が欠かせません。
糖質制限中の筋トレで気をつけるべきポイントは以下のとおりです。
- 必要なタンパク質と脂質の摂取量
- トレーニング強度と頻度の調整
- 水分と電解質のバランスを保つ
自分に合った食事やトレーニングプランを取り入れ、無理なく継続することで効率的なボディメイクを目指してみてください。